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2008年08月19日

011 慢性咳漱・左膝痛 50代男性

症例: 50代男性
主訴: 慢性咳漱・左膝痛

現病歴: 5年ほど前からずっと咳があった。15日くらい前から両みぞおちが常に痛むようになった。喉に何かひっかかるかんじもある。

他症状:
・他、両手PIP、右膝も痛い。朝のこわばりは10分。
・汗はよくでる、水は1500くらいのむ
・冷え性あり
・下痢気味
既往歴:
・10年ほど前に頭をぶつけ、1年間脳外科に通ったことある
・高血圧
生活歴:
・タバコ 1箱弱/日
所見:
・舌 オ血(-)、青色
・胸部・膝X線・心電図明らかな異常なし

処方と経過:
まず咳をなおすこととした。体力中等度での慢性咳漱として、五虎湯を処方。

(1ヵ月後)
・1日のんだら急に咳が少なくなり、その後も徐々に減っている。胸の痛みも取れた。
・舌 奥は青いが先端部は赤くなった

→希望もあり、五虎湯継続

(3ヵ月後)
・2週間前から風邪をひいてなおらない。咳がひどい
・心窩部圧痛(+)

→体力低下者の慢性に経過している風邪と判断し、麻黄附子細辛湯に変更

(4ヵ月後)
・前の薬にかえて1週間でよくなりました

→咳漱改善と判断、五虎湯停止。今後、関節痛を改善することとした。まず、脾虚と判断し人参湯処方。

(5ヵ月後)
・膝まだ痛い
・風邪ひいて、咳でる。治療する前に戻った。風邪をひくまで咳調子よかったけれど
・風邪は前からひきやすい
・DIPが痛い。朝10分間程度の硬直あり

→風邪に対して麻黄附子細辛湯を短期間。人参湯に加え、五虎湯再開。

(6ヵ月後)
・咳少なくなった
・膝の痛み感じなくなってきている
・指の痛み、前はPIPが痛かったのに、だんだん痛みが先のほうに移動してきた

→人参湯だけでもう一度みてみる

(感想)
・咳の最後の悪化は、メンゲンだったか? 症状が消失する最後に似た症状が悪化する経過は、興味深かった
・漢方薬の中止は、本人がやめたいというまで待つのが安全なのか?

2008年07月31日

001 慢性鼻炎・冷え性 30歳男性

症例: 30歳男性
症状: 慢性鼻炎・冷え性

病歴:
幼少期より、「雨が降ると体調悪い」「水に濡れると力が出なくなる」「食後やたらと眠い」「つばが多い」という体調を感じていた。成人し、疲れたとき指、膝などの単関節炎をしばしば発症していた。国家試験勉強をするようになってから、水様の鼻汁がとまらなくなってしまった。夏にひどく冷や汗あるにも関わらず冷感強く、冷房にあたるとすぐ風邪を引く状態になってしまった。

判断:
人参湯証

その後の経過:
人参湯内服し三日目に鼻水消失! その後徐々に易疲労感が軽減し、冷感軽減し、関節炎の発症頻度低下し治癒速度も上がるなどの、体調改善を認めた。

(感想)
実は自分です。この効果の速度をきっかけに、漢方診療にはまりました。
花粉症とかに効ヒスタミン剤はありだと思うけれど、365日続く慢性鼻炎は、きっちり診察して漢方薬とかで整えた方がぜったいにいいと思う…