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2010年01月21日

051 爪が紫色

[症例] 30代男性
[主訴] 爪が紫色
[現病歴] 以前より消化器弱く,慢性鼻炎あり,手足冷え性,雨天時・疲労時にしばしば関節炎発症するため,脾気虚と診断され,ときおり人参湯・よく苡仁湯で治療していた.爪が紫色であることを指摘されたため治療を思い立った.

[現症] 中肉中背
[漢方所見]
(舌診)腫大,舌質 淡、舌下静脈 怒張傾向

[判断と処方] 脾気虚に加え,脾血虚もあるため末梢に栄養がいっていないと考えられた.
帰脾湯での加療を選択.

[経過]
数日後,動けないほどの頭痛に悩まされるようになった.疲労のためかと思ったがなかなか改善せず.
帰脾湯で補うだけで整理できていないためではないかと考え,加味帰脾湯に変更.その後,頭痛発症せず.2週ほどして,末端まで紫色だった爪が中央以端は肌色に変化.中枢側はいまだ紫色.
ほか,体に明らかな変化は見られない.

(感想)
やはり自分.隊長に乱れがあるとき,その乱れを整理をせずに補うだけでは状況悪化もありうることをわが身で体験.しかし,所見はなおっても体調よくなるという自覚が得られないのは,いいのかなぁ,とも思いつつ.数値がよくなるが予後はべつによくしない多くの高脂血症治療を思い出している.どこか自覚のない場所でいいことがおきているのか?よくわからない.