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2008年11月18日

020 軽度の倦怠感 67才男性

症例: 67歳男性
主訴: 夕方になると増強する軽度の倦怠感
初診: 9月
現病歴: 退職後、田舎にIターンし妻と二人暮し。不整脈・高血圧・不眠症を近医循環器でフォロー中。夕方になると力が出なくなり不安感がある。10分に1回くらい深呼吸をする。

「夜すっきり眠れるようになりたい」

他症状: 寝つきが悪い。ふとんに入ってから1時間半は覚醒している。睡眠時間は22時〜6時。昼の眠気はない。
 毎夜1時に排尿に起きる。排便毎日あり。
 山の上の人のいないところにいくと落ち着かない。人ごみが落ち着く。
 明らかな抑鬱なし(食事はおいしい、人生充実感あり、しかし3年前からゴルフにいかなくなった)

内服 : デパス、セロクラール、ノルバスク、シベノール
家族歴: 兄弟が狭心症(バイパス施行)
性格: 几帳面(血圧手帳の記入を1日も欠かしたことがない)

所見:
皮膚 汗(+)
脈 虚・沈
舌 黄苔、やや厚い、舌下静脈(+)、やや暗色
HEENT n.p.
胸 心尖拍動外側に移動、逆流性収縮期雑音3/6、背部に放散
腹 腹力弱、臍下脱力
四肢 浮腫なし

判断と処方:
腎陰虚を強く感じる。根の不安定さを感じる
→六味丸
入眠剤としてアモバン追加。

経過:
4週目、再診。あまり効果ある印象少ない。声の力が弱く、香蘇散証を感じた。
本治で六味丸、標治で香蘇散、としてみることにした。

2ヵ月目、「よくなっていると思う」「運動していても体が軽い」「倦怠感、寝込むこと、がなくなった」「食欲低下することもなくなった」

今後も経過をみて安定したら循環器の主治医にあとのお任せするか、まずは減量を測るか、現在検討中。


(感想)
漢方薬を二つ使うのはまだ難しい。

2008年07月31日

003 耳が遠くなり始めた 60歳男性

症例: 60歳男性
症状: 耳が遠くなり始めた

病歴: 先にあげた慢性咳漱の女性の夫。もともと漢方薬には否定的だった。
50歳をこえた頃からTVの音が大きくなってきたことに家族が気づいていた。高血圧の内服治療も開始していた。冷え性などはないが、年齢とともに腎虚が進行してきていると見ていて感じられた。
冷えのない腎虚であるため六味丸を処方した。
はじめは内服していなかったが妻に著効したのを傍で見て、飲み始めた(1日1パック)。

飲み始めて2週間ほどたってから「何かよく分からないんだけれど調子がいいんだよね!」
妻も、TVの音が小さくなった、顔色がよくなった、とのこと。
3週間ほどたってから「最近髪の毛がぺしゃんこになってきて、俺も年だな…と整髪料をつけて整えていたんだけれど、髪の毛のボリュームが増えて、風呂上りそのまま空気で乾かすだけでも大丈夫なようになったんだよ!!!」とのこと。

(感想)
アンチエイジングの六味丸の効果を実感した症例